今週のお題「秋の空気」
秋の空気を感じる唱歌「旅愁」ですね。日本語訳詞は犬童球渓(いんどうきゅうけい)。物思いにふける季節、「家と母を夢見て」のオ-ドウェイの作詞作曲に球渓が翻訳詩を付けた。元の詩の雰囲気を伝えるだけでなく独自の世界観でしあげている。このやりきれない寂しさは人の胸を打つ。音楽教師の職を得たものの西洋音楽は軟弱と叩かれ続けた軍国主義日露戦争(軍歌)の時代、ふるさと熊本に帰ることはかなわぬ、思い通りにならない現実に打ちのめされ、故郷への思いが募ったことが偲ばれる。
私もこの曲を聴きながらその世界に浸ることとしよう。